コーカサスオオカブトの転結
前回までのあらすじ。
コーカサスオオカブトを捕まえにキャメロンに来た僕とユウミはカリを探しました。
カリは多忙な人物で会うのに3日ぐらい掛かりました。
本気出せばもっと早く会えたんですけどね。
僕の寝坊などのアクシデントで中々会えなかったです。
この旅が終わったらちゃんと社会に戻れるか心配になりますね。なりますね、じゃなくて、なりました。
カリに会えなくて悶々としてた3日間もいちおう夜はコーカサス探しに出かけてましたけど
全く見つからなかったです。
見つかるのは特大の蝉ぐらい。
特大の蝉は多々見つけました。
そして遂にカリのブッキングに成功して本格的なカブト狩りが始まります。
ちなみに値段は200リンギット(約5000円)。
ユウミと二人なので一人2500円。
カリの話を聞くと、野生のコーカサスオオカブトを捕まえれる確率は二分の一らしく
完全に運次第なんですって。
もし捕まえられなかったら支払いは150リンギット(3750円)でいいと言ってました。
2500円といったらマレーシアでの生活費4日分ぐらい…
ただ、男には何をしてでもカブト虫を捕まえなければいけない時があります。
否、ないんだけどね。
ここまで来たんだから意地でも捕まえたい。
有終の美精神。
車に乗って山に。
目的地に着くとカリが淡々と準備を始めました。
この谷の下にカブトムシがいるらしく、
周りに生えてる草を折り始めるカリ。
コーカサスが草に引っかからない様にしてるんですと。
そしてライトをセッティングしました。
このライトの光見た瞬間"絶対無理だわ…コーカサス…"と思いました。
すぐ横で半端じゃなくエンジンが唸ってますからね。
こいつ半端じゃなく唸ってますからね。
ちょっとした町工場ぐらいの音出してた。
最後に反射用の布を垂らして準備完了。
信じたくないですがこれで準備完了です。
それからはひたすら待つだけです。
コーカサスが捕まる可能性が高い時間は20時から22時。
20〜22時までに捕まえられなかったら、さみしく帰るしかありません。
絶対無理だと思いつつも、最初の30分ぐらいはそわそわしながら
ライトの周りを集中して見続けました。
30分経過したぐらいからもうあきました。
飽きましたっていうか若干諦めるました。
蛾は寄ってくるんだけど
本命のコーカサスはおろかカナブンさえ寄ってきません。
僕とユウミは完全にあきらめました。
心無しかカリもあきらめてるように見えます。
9時を回ってもなんの変化もなく
ユウミと二人で"カリ全然だめだね。"って悪口を言ってました。
するとカリが走り出しました。
"ぬおおおおおおおおおおおおお!!!"と奇声をあげながら。
え?まじで!?冗談っしょ?
そのオーバーリアクションは茶番しょ?
おお!
コーカサスオオカブトさん!
思ってた大きさより一回りでかいくて、予想の5倍くさいいいい!!
僕もユウミもカリもみんなで喜びました!
ちょっとした宴。
カリが一番喜んでたけども。
悪口言ってごめんカリ。カリはやる男でした!
ありがとうカリ。
宿に戻って写真をいっぱい撮りました。
こんなカッコいい生き物他にいます!?
頭部と前胸背板からたくましくのびる3本の角。
鋭い爪と力強い間接の足。
緑色の光沢が輝く羽。
生まれ変わるならコーカサスオオカブト以外考えられないっすわ。
冗談抜きでこの旅行で一番感動した日だと思います。
そしてこの日僕はユウミに告ったのでした。