全ては無駄だった様で。
朝。
ひどい睡魔に襲われる中、
トゥールーズ行きの電車に乗りました。
僕が絶対行くって決めてた街。
たぶんこのトゥールーズって都市を知ってる人は、
あんまりいないんじゃないかと思います。
実際特に見所もない街だし。
僕も半年前まで知らなかったし。
ただこの街にはスペースドラムっていう楽器を売ってる店があるんですよ。
僕の持ってるハンドパンのフランス製が！
あ、みなさんあんまり興味ないですよね。
わかります。
でも僕にとっては大事なんで優しい目で見て欲しいです。
このブログはそういう仕様なので。
えー。
率直に言ったらスペースドラムを買う為だけに遥々やってきたわけです。
お買い物です。お買い物。
そしてこの後、僕はお買い物の真の難しさを知る事になります。
マルセイユを出て４時間程でトゥールーズに着きました。
まあなんていうか普通の街ですね。
良くも悪くもヨーロッパの平凡な街みたいな街です。
電車を降りて早速楽器屋を探しました。
ネットに住所が載ってたのでそれを頼りに。
この画像が僕の頼り。
イタリア同様フランスも英語はあんまし通じないので、
画像を見せて、"ここ！ここ！"って言いながらバスチケットを買いました。
この時まだ昼２時とかだったので、
"余裕で今日中にスペースドラムは我がもの。"って舞い上がり、
次の日のバルセロナ行きチケットも購入。
もうフランスに用はないので。
そしてバスに揺られて１時間。
ネットに記載されてたカラマンという街に着きました。
街っていうか村ですね。
僕の想像していた５０倍は田舎ですし。
田畑に囲まれた超のどかな場所。
"ほんとにこんな田舎に楽器屋あんの？ネット販売専門？"
とか色々葛藤しながらも住所の場所に向かう。
すると普通の家の表札に、"METAL SOUND"と書かれてるのを発見。
メタルサウンドさんなんて名前のフランス人を僕は聞いたことないので、
ここが求めてた場所だと確信し、ノックしまくりました。
家から出てきたのは、人間３人と猫１匹。
結果から言うと、
スペースドラムを売ってる店のオーナーの家に来てしまいました。
天才的ミス。
奥さんに店の場所を聞くとさっきまで僕が居た駅から歩いて１０分らしいです。
バス乗って片道１時間かけて来たのに。
灯台下暗しを見事に体現した記念すべき瞬間。
店の閉店が１９時とも教えてくれたので急いでバス停に戻りました。
ただこの場所がほんとド田舎で、２時間に１本とかしかバス来ないんですよ。
一応オーナーの電話番号も教えてもらったから、
最悪電話して"待て！"作戦を敢行する気でした。
駅に戻って来たのが１８時３０分とか。
そこからはもう全力でした。
通行人に片っ端から声かけて"ここ！ここ！"って言って道訊ね。
ただ駅前だったので色んな街の人がいるのか、わからないの返事しか返ってこない。
オーナーに電話して"待て！"作戦実行しようと思ったけど、
公衆電話を使うには専用のカードが必要みたいで使えない。
その辺で携帯いじってる大人に泣きそうな目で懇願しても誰も貸してくれない。
フランス人ケツの穴小さすぎ。
絶対彼氏にしたくないタイプ。
もう打つ手ないっす。
気づいたら２１時でした。
明日の朝バルセロナに行くチケットも買ってしまってたので、
僕に残された選択肢は二つ。
大人しくバルセロナに行くか、
４０ユーロ以上したチケットを捨てるか。
でも、考えるのもめんどくさくて
走り過ぎてズボンもボロボロで
便所サンダルも走りにくくて
そういえば昨日も寝てなくて
寝る場所探すのもめんどくさくて
寝ました。
