涙がこぼれる。
トルコ*イスタンブール 初日後半。
久しぶりに路上演奏です。
僕が演奏してる場所はイスタンブールのタクシムって場所なんですけど
(というかトルコはここ以外路上演奏全面禁止)
ドンピシャでデモをやってる場所です。
日本でどのくらいデモのことを報道してるのかは知らないですが
結構ガチで多角的企業、人に打撃を与えてるみたい。
まあデモっていうのはそういうことも狙ってのあれなのかもしれませんが。
僕の身近な所でも1人の男がニートになって昼間からワイン飲んでるなうですし。
今日は路上の日記はほどほどにして
僕が見たリアルタイムトリキーをお伝えするちょい真面目仕様となっております。
2ヶ月ぶりにタクシムのメインストリート。
演奏する前に他の路上パフォーマーを視察しに回る僕。
これ個人的にかなり重要だと思うんですよ。
楽器は違えど巧い人の近くで演奏って難易度高いです。
絶対比べられますし。
そして比べられたら誰にも敵わないのが僕です。
ただそんな視察も考えも全ては杞憂でした。
なんか路上パフォーマー誰1人いないですし。
どうやらデモの波は有職者に留まらず無職者にまで影響を及ぼしてるみたいです。
稼ぎに来る時と場所を完全に間違えました。
確定申告すらできない、
世の隅っこで生きる無職にまで影響あるとかデモ半端じゃない。
まあ観光客はそれなりに居るので逆に独壇場ではあるんですけど。
ハンドパンとスペースドラム。
今回から路上に導入されたスペースドラム。
買って1ヶ月近く経って
まだ1曲も出来てないのが現状なんですけど
"とりあえず2つ並べたら恰好いいのでは。"という理由で隣りに置いてみました。
出来る男はなんでも形から入るものですからね。
そういえば5年前ぐらいに作った草野球チームも始まりはユニフォーム作りでした。
揃えるだけ揃えてその夏終わったけど。
真っ白だったユニフォームは土で汚れることも無く
タバコの煙でほぼ黄色になって今も部屋にあります。
懐かしいあの夏の思いで。
3回ぐらい中学生と試合して体力の差を見せつけられたあの夏。
どうでもいいけどキャプテンだった僕は
小学校バスケ、中学校バドミントン部でした。
野球なんてルールも知らんのです。
めっちゃ話逸れました。
そうです。路上演奏したんでした。
とりあえず糞暑くて上の写真をよく見てもらえばわかるんですけど
ほとんどの人が日陰歩いてます。
僕と日陰までの距離、少なく見積もって8メートルはあるので
8メートル先に人だかりが出来るという無意味すぎる現象が起きました。
当然の様にお金も全然入りません。
ただ時間が経つにつれ
日が沈み日陰が伸び、縮まる僕と人との距離感。
ちょっとづつではあるけどお金も入り始める。
それでも2ヶ月前に比べたら全然入ってないんですけどね。
まじで今のイスタンブールで稼ぐのは辛いと思います。
結局2時間半だけやって稼げなさに心折られてやめました。
目の前激しく警備し始めましたしやめです。
こんなん集中して演奏無理です。
銃持ってますもん。
僕の演奏が癇に障ったら射殺ですもん。
複数人の癇に障ったら蜂の巣ですもん。
まあ演奏はやめたんですけど、
もしどこかで過激なデモやってるならチラ見したかったので
ちょっと歩きました。
知ってると思いますが、デモの理由はあれです。
かなりハショって簡単に言うと、
"イスタンブールに数少ない緑地削ってショッピングセンター作りますね。"
と政府が決めて
"なんやて!?"
って反発派の方がうまれたのです。
はしょり過ぎましたけどこんな感じです。
詳しく知りたい方は自分でググりましょう。
その緑地っていうのが僕がいつも演奏してる道の先にあります。
とりあえずその方向に向かって歩きました。
歩き始めてすぐに街の異変みたいのには気づきました。
まだ夜にもなってないのにシャッターを降ろしてる店が多過ぎる。と。
でも人は結構歩いてるのであんまり気にせず更に歩く。
したら。
謎の煙があがり始めました。
まさかの放火?
よく見ると火事の煙じゃないんですね。
もっとなんか淡い感じの煙。
逃げ出す心の準備だけして煙に近づくと、
いきなりサイレンを鳴らした一台の車が"う、嘘やん。"ってスピードで走ってきました。
全く状況掴めずにいると
通りを歩いてた人達が一斉に路地に駆け込んでいきます。
でも心なしかちょっとほくそ笑みながら走って行きます。
あほなカメラマンと僕を除いた人達は路地や建物の下に駆け込む。
一瞬でゴーストタウンみたいになっちゃった。
何だったのか全然意味わかんなかったんですけど
僕の目からは涙が溢れるように出てきました。
何が僕の涙腺を崩壊させたのかわからなかった。
感情は全くと言っていい程高ぶったりしてないのに。
ってか目痛い!
おろしたタマネギ擦り込まれてるぐらいの痛さ。
よくわんないけどもそれぐらいの痛さ。
1人で"やばいやばいやばい。"してると背後から声をかけられた。
低い男の声。
ゆっくりと振り返ると。
水泳ゴーグルをかけたブラウンが居ました。
どしたブラウン。泳ぐん?
そんな僕の思いを知る由もないブラウンは言いました。
"ティアガス!ティアガス!"って。
この時やっとわかりました。
さっきの煙は催涙ガスで僕完全に吸い込みまくってた。
なんなら重い楽器もって歩いてたから
煙付近で"ゼーハーゼーハー"してた!
だからみんな煙避けてたのね。
全ては催涙ガスの効用だったようです。
どうでもいいけど催涙系は絶対暴漢にも効きます。
女子は是非暗い夜道のお供に。
もう目痛すぎて煙と真逆にあるカフェに入って
トイレで眼球潰す勢いで目の洗浄をしました。
ちなみにブラウンはただの野次馬に来ていたらしいです。
(だからゴーグルかけていたのです。)
奥の黒い集団警察。
デモの恐怖はわかんなかったけど
政府と催涙ガスの威力を学んだそんな日でした。
そりゃゲリラで催涙弾撃ってたら路上パフォーマーいなくなるわ!
と思いました。
ってか稼げなくてまずい!
とりあえずある程度お金貯まったらガスマスク買うかもしれません。