とある無職の世界一周

世界一周のこととか。

コルカタと津田と山田

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えー。津田を迎えにコルカタ空港にやって来ました。

あ、津田は僕の友達です。
幼稚園、小学校、中学校、卒業後も同じ職場で働いたりなど
今のところ人生の7割程は僕と思い出がかぶってる。そんな男です。

初海外ということなので、友情を重んじる僕は空港まで迎えに来たわけです。
(お金は全て津田が払うと豪語していたし)


コルカタ空港は空港内に入る際、エアチケットの提示を強要され、持ってない人は絶対に入れてくれないというドSな空港なので外で待たされました。


3時間後ようやく津田がアライバルゲートに現れたので
僕は息を殺し、姿を潜めました。


"初めての海外。しかも夜の空港で一人ぼっち。あの絶望感を彼にも味あわせてあげたい!"
そんな気持ちでいっぱいだったので隠れました。

津田はしばらく空港の中から外の様子を伺っていました。
大方、僕が迎えに来ているか確認し、安心して外に出たいんでしょう。
甘い…。
ねるねるねるねより甘い。
そう思いながら隠れている僕はドS。時々M。


5分程空港内をウロチョロしてた津田でしたが、勇気をだして出てきました。
なぜか隣に45歳ぐらいのおっちゃんを引き連れて出てきました。
おっちゃんの風貌は
白髪混じりの髪に、年期の入ったバックパック、メガネ。
"な、なんかめっちゃベテラン風の人とユニット組んでる…"


どうやらねるねるねるねより甘かったのは僕のほうだった様です。
こんな、もののけ姫で例えるならおっことぬし様みたいなおっちゃんと空港に降り立つとは。


自分がとんだピエロだったことに気づきました。
おっことぬし様の前じゃ僕もさながら猩々みたいなものですから。



隠れるのをやめてハニカミながら二人に会いました。



おっちゃんの名前は山田さんと言って、飛行機が一緒だったので津田から話かけたらしい。
山田さんはベテランな装いなのに新品の地球の歩き方インド編を持っていて、
話を聞いてると全然ベテランでもおっことぬし様でもなかったので、
一緒にサダルストリートまで行くことになった。


山田さんは自由奔放な人なので、途中大量にカレーを買っていた。
車内はスパイスの臭いに包まれた。


サダルストリートに着いたのは夜中の2時ぐらい。
当然どこのホテルもゲストハウスも閉まってた。
僕と津田の部屋は昼のうちに取ってあったので大丈夫だけど
山田さんは違った。



宿はどこも開いてないし野良犬だらけで人気のない寒空の下
僕の親父よりも年上のおっちゃんを捨てていけない僕と津田は考えた結果…
山田さんも僕たちの部屋で泊めることに。
幸いダブルの部屋だし。
"ホテルにバレたら説明して、その分お金払えば大丈夫だろう。"
そんなノリでした。


部屋に入ると道ばたで買ったカレーを僕たちにも振る舞ってくれる山田さん。
部屋全体に漂うスパイスの香り。
ルールでカレーを食べれない僕。
恐る恐る食べる津田。


おそらく免税店で買ったであろう白ワインも振る舞ってくれる山田さん。
赤派の僕。
寝る津田。



ホテルの綺麗なバスタオルでカレーの後片付けをする山田さん。
バスタオルで掃除はダメだけど、ちゃんと片付けとかするんだと思う僕。
寝ている津田。


カレーの容器、スプーン、その他すべてをバスタオルに包んでバスタオルごとゴミ箱に突っ込む山田さん。
暴君の如き振る舞いにどん引きする僕。
寝ている津田。


寝る山田さん。
寝れない僕。(二人のいびきが半端じゃない)
寝ている津田。