とある無職の世界一周

世界一周のこととか。

僕の本気

トルコ*イスタンブール   風強い日。

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まるで春の様な画像ですけど、あなどらないでください。
凍てつく寒さです。
風もアレです。
なんか単純にムカつくぐらい吹いてます。


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まぁ大自然の猛威など
地上30mで優雅にカプチーノ飲んでる僕には一切関係のないことです。

なぜ僕が優雅にカプチーノってるかというと、


昼。
いつもの様にバスキングしに路上に出かけた僕。
風が強くて人通りも少ない。
弱音吐いてもお金は稼げないから、とりあえず演奏する僕。


お金を入れてもらってるバックが何度も風で吹っ飛び泣きそうだった時。


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颯爽と現れた彼の名はブラウン。

実はね、彼とはもう何回も会ってるんですよ。路上で。
"時間がある時うちのレストランに来てくれ!"って何度も言われてた。
でも、トルコの路上があまりにも稼げるので
"ごめん。今日も時間ないっす!"って断ってたんですよ。


ただ、今日は糞寒いし、人も少ないから
ちょっとだけお邪魔しに行ったわけです。
どんなボロいレストランなのかと思ってたら、良い方向に期待裏切ってくれて
めちゃ綺麗なレストランすぎて興奮のあまりカプチーノおごってもらいました。


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360度ガラス張りのこのレストランの名前は"360"です。
スリーハンドレッドシックスティー。
店名も店構えもお洒落。


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男子トイレも氷ぱんぱんに詰まっててお洒落。
お洒落のベクトルが意味分かんなくなってきた。


そしてここからが僕の長い一日の始まりです。


ブラウンが僕をレストランに誘ったのは、
このレストランのディナーショーで演奏して欲しいからだったみたい、
まぁ毎晩暇してる僕は"いいよ。"って言いました。


"そいつは良かった。じゃ、今晩頼むわ!"とブラウン。


おい。ちょっと待てブラウン。ブラウン待て。焦り過ぎじゃね?
僕素人だよ?


色々言いたい事はあったんだけど、
"とりあえず一回弾いてみて!"って言われ、従う僕。

"やばいめんどくさい。わざと何回もミスって今日調子悪い事にしよう。"
策士。僕完全に策士。
演奏は見事にグダグダに終わった。


"ブラボーオオ!!パーフェクト!!!"と、ブラウン。

マジなんなのブラウン。
もう絶対茶色の服買わないからな。って思った。
この時点で悟った。
今日はブラウン逃がしてくれないって。


もうあきらめて詳しい打ち合わせとかを教えてもらった。
"9時に1回目の演奏。10時半に2回目の演奏。一回の演奏で3〜5分でまとめてね。"
これだけ。

"服は今着てる服で大丈夫?"
って聞くと。

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"これ着て!"と笑顔のブラウン。


これは無理。

これ着て演奏するぐらいなら
裸一貫でいったほうがまだネタになる。
全力で拒否ったら。
今の服装でokってことになった。


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演奏まで暇だったので、僕が今泊まってる宿、二泊分の料金もする
オブジュみたいなチキンをごちそうになりました。

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事務室で緊張しながら暇してた。


そして9時。
一回目の演奏の時間がやってきました。


あのね。
路上で弾いてる時は全く緊張しないんですよ僕。
微塵もしないんですよ。
他にも演奏してる人たくさんいるし、
なにより、路上だったらお客さんが聞くかどうかを選べるじゃないですか。
別に聞きたくなかったら通り過ぎるし、
聞きたい人が集まってくれてる中、演奏するってかなりハードル低いと思うんです。


でも、今回は全然違うくて。
全く興味ない人にも強引に聞かせちゃうわけですよ。
しかもみんなで楽しくワイワイやってるとこにですよ?
中には別れ話の最中のカップルも居るかもしれないんですよ?
結婚30周年目で素敵な夜を満喫したいご夫婦もいる可能性も有るわけです。


そこに僕って。と考えると緊張が半端じゃなかった。


頭ん中が新品の画用紙ぐらい真っ白になりながら
お立ち台に上がった。


平日で客はそこまでいない。
BGMが消えてライトがなんかかっこいい色に変わる。
始まりの合図ですね。


もうそこからは何も覚えてないんですよね。
え?僕弾いた?ぐらい一瞬だった。
ただ、どう弾いても4分は掛かる曲を弾いたのに
丁度3分で弾き終えてたから、もうミスとかそおいうレベルじゃなくて
どっかフレーズ抜かしてるううう!!


は、恥ずかしいん。
パラパラと拍手されなる中、急いでタバコ吸いに走った。
あ、やべ。お辞儀するのも忘れてる。
なんだよ僕終わってるぞ。


ブラウンと音響とライトの管理してるおっさんは
"よかったよ!"って言ってくれたけど
僕の中じゃ今までで最低であったわけで。
下手でも下手なりに路上でやってたのに、少しは成長したかな?って思うとこれですよ。
終わってます僕。


ほんと二回目があってよかった。
ミスしても下手でもなんでもいいから、
最初から最後まで考えて演奏したい。
"次はこの音。その次はこの音。"って。
そしてお辞儀も。これは僕の流派だから。ぼくの流派"お辞儀流"だから。


10時半までの間本気で色々考えた。
試行錯誤した結果、
まだ完璧に弾けない最近作った曲で攻めることに。
これなら終止考えてないと弾けないしね。
不器用なんっす僕。
何も考えないで演奏するみたいな天才肌じゃないんっす。


んで10時半。
客の数は変わってない。
みんなお酒飲んでるから、少し騒がしくなってるけど。
お立ち台に上がったら、老夫婦と目があった。
"はっ。もしや結婚記念日!?"
とは考えなかった。
演奏に集中。なんかかっこいい僕。


4分ぐらいかな?
ミスはあったし、完璧な出来じゃなかったけど満足した。
ってのは嘘ね。
そんな簡単にはね。満足できないよね。
まぁお辞儀はできたので"借りは返したぜ。"とわけわかんないこと思ってます。


本気でやっても全然ダメでした。
ただ僕ここからだから。


またこういう機会があったら是非やってみたいです。
まぁそうそう無いと思うんですけど。
それまでに精進しときます。


あ、なんか長い上につまらない内容ですんませんした。