とある無職の世界一周

世界一周のこととか。

教祖の隣りでハンドパン演奏してきました。

ブルガリア*ソフィア      曇り。

昨日の続きです。

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このパッとしないのがメインストリート。


とにかく1日目が勝負です。
何回も何日も弾いてたらハンドパンの音に飽きられる。
"演奏は下手だけど何か?"と自信もって言える僕が一番稼げるのは
1日目〜3日目ぐらいまで!


2日目、3日目は指痛いし、
僕のモチベーションが尽きてるはずなので
1日目でどれだけ稼げるかで、ブルガリアの滞在日数が決まります。


路上にはギターを弾いて歌ってる人が一人だけ。
そのギターリストの演奏が聞こえなくなるまで離れ、線香を焚いて準備を整える。
瞬時に警察に注意される僕。
え!?なんで?まだ匂いしか出してないんですけど。
楽器すら出してないんですけど。


警察が言うに、この道をもうちょい真っ直ぐ行ったとこにある歩行者天国の道でなら
演奏していいそうなので、大人しく従った。
"あっちでギター弾いてる男性を見ました。彼にも注意を。"と、チクリ。
ギターリストも道連れにしてから向いました。


オープンカフェが並んだ綺麗な通りに着き今度こそ演奏開始。

演奏して30分。
全然稼げねえ。
全く金が入らないわけじゃないけど、トルコでの稼ぎを考えると雀の涙で焦る僕。
1時間演奏しても貯まったのは大体15lv(7ユーロ)。
トルコなら1時間最低40ユーロは入ったのに…
あ、さりげなく過去の栄光を自慢しました。
すみませんかっこつけまして。


とにかく今は稼ぐことに集中しよう。
集中して演奏しながらも客の目を引く演奏を心がけよう。


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いや待て。その前に女子と喋ろう。

お金は全然入らないけど女の子の話しかけてくる率は高いです。
特に2枚目の写真のイカしたサングラスしてる子、ディアナと仲良くなりました。
彼女はブルガリア人じゃなくてマケドニア人らしいんですけど
めちゃ優しいです。

お金入れてくれた後、ご飯買ってきてくれたので
トルコ出国してから何も食べてない僕は、
もう演奏とか眼中に無くなって、
"演奏? ちょ、わっかんないっすね…何語すっか?" ぐらい白々しくなって
ご飯食べ終わった後も、彼女とのお話に夢中でした。


彼女が帰ったのはそれから1時間ぐらい経ってからで、
それからようやく我に返った。
"稼がなくてはいけない。まだ宿代も出てない"


最初の目標としてはウクライナまでの列車代とブルガリアでの滞在費を
稼ごうと密かに思ってたのに路上に出て2時間。
まだ7ユーロ。

そっから僕必死に演奏した。
まじで明日指が使い物にならなくなってもいいから、今日稼がしてええええ!
って願い込めて弾いた。


1時間後。
合計20ユーロ…。
ほんと全然入らない。
ブルガリアが裕福じゃない国ってのは知ってたけど、
まさかここまで稼げないとは思ってなくて、なんて言うか、困った。


そんな時に一人の女性に声をかけられたのでした。
"いい演奏でした。もし今夜時間あったら、私たちのピーで演奏しませんか?もちろんお金も払いますよ!"って。
ピーの部分は聞き取れなかった英語で、
何の目的で、ドコで弾くのかもわかんなかったけど、
1回弾くだけで20ユーロ貰えるという話になったので快諾した。


彼女の車に乗って20分ぐらい走らせた所にある
普通の雑居ビルみたいな場所の一室に連れてかれた。


恐る恐る部屋に入ると、
どこにでもありそうなリビングに30人ぐらいが座って
謎の歌を歌っている。
かるく天を仰ぎ気味で歌っている。
薄暗い部屋の一角にはでかい神棚の様なものがあって、
壁には神と神にすがり教えを乞う羊達の掛け軸がかけられてる。


僕これ知ってる。
宗教。苦手なやつだ。


"めっさ帰りてええ。。。"


とは言えず、招かれるまま部屋の一番奥に連れてかれました。
エスケープから一番遠い場所に連れてかれました。
僕が座ってすぐに、教祖様的な服装の人が現れ、教祖様も座りました。
僕の真横に。
何この仕打ち。


んで、僕を連れてきた女性が、ブルガリア語で信者達に何か話し、
信者達のテンションが少し上がりました。
"ま、ままままままさかハードル上げたのでは!?"と思う僕。


とりあえず演奏するしかないので、
にわかには信じ難いこの状況で弾いた。
僕が弾ける曲、4曲。
全部弾いた。
時間にして10分ぐらい。
演奏が終わると拍手をもらって僕一安心。


さぁ僕を解放しろ!帰らせろ!!現実に。


そんな僕の気持ちを察せない教祖様が何かを話始めた。
英語だから少しだけ意味がわかった。
"彼がこの楽器に触れなければ、この音はでない。"
ちょ、意味わかんないっす。
話の切り口が斬新すぎて聞き取る気にもなれないんですけど。


その後丸々2時間教祖様の話聞いてたからね。
昨日から寝てない僕は満身創痍でした。
なんなら信者の方々もあくびしてた。
なんなのこの宗教。


一番理解に苦しんだのは教祖様のお話が終わった後に起こりました。


教祖様がシタール(弦楽器)を弾き歌い始める。
ハモる信者。
一小節を何度も何度も繰り返し歌う曲のようで、
最初は静かに、大人しめに。
次第に信者達の手拍子、ハモりの音量が上がっていき、
教祖様のシタールも力強く奏でられる。


盛り上がりが最高潮になったところで、
教祖様シタールを弾く手を止めて
"アーアッア!!"とか手振りながら言っちゃってるんですけど。


ボーイズバーの若手を彷彿させるほどの合いの手。
更に盛り上がる信者達。
もうね。一番手前の人とかすごい生き生きした顔してた。
童貞卒業した高校生みたいな顔して歌っててすごい怖かった。


宗教批判とかじゃなくてね。
僕は無宗教で神様とか居ても居なくてもどっちでもいいよ的な人なので
こーゆー宗教にどっぷり浸かってる人を見ると単純に怖いんです。
どうやったら高まったんですか?その信仰心?なにか…見えてるんですか?
みたいな気持ちになるんです。


存在するかわからないものを信じるって、半端じゃない想像力だと思いました。


トータル3時間にも及ぶ謎が終わり、部屋に明かりが点いた。

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ので、教祖様をパシャリしときました。
みんな私服の中、異質です。
なんか信者に貰ってました。花の絵貰ってました。


疲れた。
でもおかげでトータル40ユーロ稼げました。
ありがとうございました!