フォアグラパーティー
ブダペスト中央市場にやってまいりました。
狙いは当然フォアグラです。
あ、あともろもろ買いました。
1週間ぐらい前ですかね。
ウクライナに居た僕は突如フォアグラを食べたいと思い、国境を超えました。
まあもともとハンガリーに向かう予定だったのでその流れなんですけどね。
"フォアグラを糧にしたーい。"ぐらいのノリでパーティー開催を決定しました。
ちなみにフォアグラパーティーの参加者は僕を含めて4名でした。
せっかくなので簡単に紹介しときましょうか。
見切れてる方からアキくん(AB型)、U子さん(AB型)、T平さん(A型)、それと僕(AB型)です。
この4名がフォアグラに魅せられたF戦士的なです。
ほんとF戦士が集まってくれてよかったです。
一時は僕1人で便所でフォアグラ食べることになる可能性もなきにしもあらずでしたから。
えー。
今回の献立は"フォアグラのコロッケ"と"フォアグラの親子丼"を予定してたんですが
親子丼に必須なガチョウの卵が売っていなかったので
妥協して普通の卵とチョウザメの卵(キャビア)を買いました。
"親違い丼"を目指します。
ちなみにフォアグラ1kgで4200フォリント。約1950円。
本場ハンガリーでも高いっすね。
材料も買い揃えたので調理がはじまりました。
調理開始5分で今回のパーティーに全く関係ない
"キュウリとカブの浅漬け"が完成しました。
パーティーに関係ないってゆーか今回のパーティーの主旨、
"フォアグラのコロッケ食べて翌日みんなで胃もたれしよう!"という主旨を根本から脅かす一品がまず完成しました。
あっさりした物も食べたいという普通の理由で。
その間アキくんはパンを削ってました。
パン粉が無かったので、欧米人の女性が紙袋に入れて持ち歩いてそうなフランスパンのちょっと細いバージョンをひたすら削ってました。
これは見てて可哀相になるレベルで地味作業。
僕は親子丼の割り下を作りました。
一番疲れないやつ。
お湯沸かして、だしの素をサーァして醤油サーァして砂糖サーァして終わりです。
その間も横ではアキくんがフランスパンと戦ってます。
T平さんもジャガイモ剥いてるし、U子さんも忙しそう。
僕はタバコに火をつけて一服したりカメラでみんなの勇士を撮ったりで
誰が見ても一番いらなかったと思う。
流石に"主催者としてどうなの?"ってなったので
T平さんに"あ、ジャガイモ僕剥きます"と志願しました。
その間もアキくんはフランスパンに徹してます。
まるでフランスパンに恨みでもあるかの様に削ってました。無言なんだもの。
この1枚の皿に全てが詰まってます。
アキくんの旅、ハンガリー、青春、根性、時間、もろもろ含めてアキくんの結晶。
ここから更に削ってました。
ほんとすいませんって思った。
"フォアグラのコロッケ"とか軽率に口走った僕の責任です。
そしてT平くんがフォアグラに手を伸ばしました。
皆の憧れのまとフォアグラ。
初めて見たんですけど、初見の感想は"きもいな"ですね。
見た目は一切美味しそうではないです。
まあ世界三大"珍味"だし仕方ないのかもしれません。
一見"これ食べちゃう!?"って食材が珍味にノミネートされるわけですから。
それ言っちゃったら、バナナとかも最初に食べた人はすごいですよね。
あんな黄色い果実どう考えてもデンジャラスですから。
その上細長く反っちゃてるなんて、もはや下ネタ。
最初に食べた人は凄い勇気ある方だと思います。
話が脱線しちゃいました。
そうです。フォアグラです。
ガチョウの脂肪肝を調理するお話でした。
T平さんが"フォアグラ切るわ"っておもむろに切り始めました。
"うわー僕も切りてええええ!!"って思ったんですが
こんな時にもシャイな自分が出ちゃって、
ただ横でさばかれてくフォアグラの見守る事しか出来ませんでした。
なのでこの場を借りてT平さんに言います。
"一発目切りたかった…"
当時言えなかったあの想い。
そんな僕の想いをいざ知らず、T平さんの動きは止まりません。
続けざまにガチョウの肉もミンチにしていきます。
僕はこの間まじでただの傍観者。
もうミンチにされていく肉を直視できなくなって、U子さんが炒めてるタマネギ見てた。
ってか本当に何もしてない僕。
ただT平さんが手洗ってる隙に素早く包丁掴んで5、6回だけ切った!(無意味)
U子さんが炒めてたタマネギの中にフォアグラとガチョウの肉が入れられて
"おお!!"って見てたらフォアグラがどんどん小ちゃくなっていき、
最終的にただの油になってフォアグラは消えました。
これにはみんな苦笑いするほかなかった。
開き直って、そおいう運命だったってことにして
"フォアグラのエキス入りコロッケ"の調理は続きました。
かなり安っぽい響きになったけど、大枚はたいてるから!
そして、フォアグラの油たっぷりのタマネギと肉の炒めたやつから油を捨てました。
苦肉の策ですが油っぽすぎてコロッケ作れないんじゃないの?
ってなったので捨てました。
ま、ま、まままままだタマネギにフォアグラの旨味が効いてる可能性があるから!!
ただのガチョウコロッケじゃないから!!!
それをジャガイモと混ぜて小麦粉つけて卵の黄身に浸し
最後にアキくんの結晶を纏わせました。
もうね。ただのコロッケです。
これ、後は揚げるだけ。
この中にガチョウの脂肪肝と胸肉が入ってるなんて
だれも気づけない程にコロッケです。
ただ、"世界に一つだけのコロッケ"だから。
アキくんがフランスパン削って、T平さんが食材切って、
U子さんが炒めて、僕が主に見てただけのフォアグラのコロッケ…感慨深いですね。
ほぼ何もしてないけど。
最後の仕上げはU子さんです。
フォークと穴だらけのオタマで次々とコロッケを揚げていきます。
この揚げ物が揚げられてる時の匂いめちゃ好き。
思えば、僕はフォアグラが食べたかったのではなくて
コロッケが食いたかったのかもしれません。
正直言ったら、
ひき肉でちゃんとしたコロッケとかミンチカツとかも作りたかった。
ただ"フォアグラパーティー"という主旨が邪魔をして自分に素直になれなかった。
策に溺れた策士みたいな。
まあフォアグラのコロッケ凄い美味しかったんだけどね!
揚げ物は熱いうちに食べなきゃってことで
揚げたてをみんなで頂きました。
味は完全にコロッケで、でもガチョウの肉も歯ごたえになってて美味しい。
フォアグラは探しても全く見つかんない。
かすかにタマネギに感じる違和感がフォアグラだったのかもしれないけど
全然わかんない。
"フォ"の字もない。
更に言ったら"フ"すらない。
中学生の頃の僕みたいにフォアグラも淘汰されてしまった様です。
最終的に"フォアグラ途中で消えちゃったコロッケ"になってしまいましたが、
3つ食べたので胃もたれは確実と言って良いでしょう。
続いて親子丼の調理。
なんですけど、コロッケが思いの外長くなっちゃったので2部制にします。
あんま長すぎると読むの疲れちゃうしね。
僕も疲れちゃうしね。
まあまた明日記事あげるので、また読んでください。