とある無職の世界一周

世界一周のこととか。

僕が無職になった経緯。

トルコ*イスタンブール     


何年前だろ。

忘れちゃったけど僕はとあるフードバーをやっておりました。


バーを始める更に数年前。

同級生の子達が恋だ部活だ青春だと高校生活を謳歌してる間、
くっそ地味に居酒屋やBarでバイトしまくってた僕は
地元の夜働く人達にそれなりに顔を覚えられ、それなりに可愛がられました。


めっちゃオーダー聞いてたし
めっちゃ"いらっさっせー!!"って言ってた笑顔で。


大工時代にコンクリートの打ちっぱなしやカナヅチなど
無機質な物ばかり相手にしてた僕にとって接客業というのはそれなりに楽しかったのです。


僕が働いていたのは駅前の居酒屋。
そしてそこから歩いて10分程の居酒屋で幼なじみの津田が働いていました。
どうでもいいけど津田が働く居酒屋の方が時給150円多かった。
収入で負けたくなくて昼間寿司屋でバイトしたのはいい思い出。


お互い仕事が終わる時間は決まってなかったので
先に終わった方が相手のバイト先に出向きただ待つ。
んでお互い仕事が終わったら僕ん家の近くの自販機でコーヒージャンケンをする日々でした。


そんなある日津田が"高等学校卒業程度認定試験"という試験を受けた。
合格したら中卒の人でも大学の入試受けれるよ。っていうあれですね。
もともと地頭はよかった津田坊ちゃまは余裕で合格しました。


そして何を勘違いしたか津田は塾に通い始めたのです。
しかも京都の。
地元に居たら僕たちがアポ無しで家にやってくるので350km先に逃げやがったのです。


この頃からですかね。
幼なじみの突如の躍進に多少の焦りを覚えたのは。
自分で言うのもあれなんですけど勉強とかはやればまあまあできる方なので
僕も隠れて勉強しようかな。とか一瞬思いましたが
それは津田の二番煎じなので即却下しました。ってか根本勉強嫌いなので。


"何かしなければ。"と考えても何もいい案が浮かばなかった節。
仲良くしてくれてた飲み屋のマスターが"若い子だけの店やってみれば?"と100パー即座に潰れそうな話を振ってきました。
しかしこのままバイトで生活しててもあれだし
そういう無謀なのも経験だと考え出来たのがフードバー"Rio"です。


店名の由来は僕が大好きな女優さんからきてます。


(貯金0だった僕は一切出費してないけど売り上げで初期経費とか返しました。)



フードバーとか生意気に言ってますが僕基本料理作れないから
食べ物とかほとんど置いてなかったです。
乾き物出すのは得意だったけども。
皿に並べてサッってね。


お酒も基本ボトルのキープにして極力カクテルとか出さない様にした。
たまーに通なのかなんなのかわからないお客様がXYZとか謎のカクテル言ってきたら
ガチで裏でググってました。
そんな店でした。
まあ営業時間が夜中から朝までだったから客層は決まってて楽しかったんだけどね。
めっさマスター連中に説教されまくりでしたが。
僕は毎夜楽しかったのです。


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こんな店。
これ言っちゃあれだけど昼ぐらいまで居るお客様に対しては
"いつ帰えるのだろう?"って思って営業しておりました。


売り上げとかのイヤらしい話質問されそうだから言っときますけど
経費全部払ったら僕に残らない月とかあったからね。
不安定だったけど普通に働いてるのと変わんないぐらいだったと思います。
ただ毎日飲んでたのでお金の貯蓄はほぼ皆無だったけど。


まあそんな感じでとりあえず店はじめて1年ぐらい経った頃でしょうか。
津田が大学に合格しました。
しかも結構頭のいい大学にです。

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まじでめっちゃ勉強したらしい。


そして僕は再び謎の焦燥感に襲われました。
たぶんそれは津田が自分の環境を自分で変えたからだと思います。
まあ親にお金出してもらって河合塾通ってたから親御さんの支えもあることは肝に命じとけよ津田。


僕は色んな人に物凄く助けてもらってのあれだったので
なんかかっこ悪ってなったわけです。


んで僕を取り巻く環境を一新する方法を考えました。
その中で一番手っ取り早いのが"遠くへ行こう。"だったんですね。
この時は別に国内でも海外でもなんでも良かったんです。


そしてまあなんというか自分で辞めるって決めたのです。
リストラとかそんなんじゃないのです。
それから半年間店たたむまで
どこに行こうかとか考えました。


事故

そんな中、田んぼに車落としちゃいました。
あ、飲酒じゃないよ。
普通の時だよ。
ほんと事故ったの田んぼで良かった。はいこれ廃車です。


もうなんか色々と考えるのめんどくさくなった僕は
友達の河森(事故った僕の車の上ではしゃいでる馬鹿)に言いました。


僕 "ちょっと世界一周してくるわ。"


河 "………。"


僕 "ちょっと世界一周してくるわ。"


河 "………。"


僕 "ちょ…"


河 "うん。わかったからもういいよ。"




そして僕の旅行は始ったのです。